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アベノミクス このままで大丈夫なのか!?

1.政府の独りよがりになりつつあるアベノミクス
アベノミクスが言われてから4年近くに、当初は株価が上がり経済に期待する向きもあったが、今では不信を抱く国民が半数以上にも。以前と比べ生活がきつくなっているという実感のあらわれではないか。4年ほど前に民主党(現民進党)から自民党への政権交代が、新政権はアベノミクスを掲げてスタートした。一時は世界が注目しマスコミにも大きく取り上げられただけに、今ここでそれを下すことの怖さもあるのではないだろうか。本当にアベノミクスはこのままでいいのか検証しながら考えてみたい。
2.アベノミクスは、一部の企業、資産家に潤いをもたらしたが、国民生活はきつくなっているのはなぜ!?
a.金融政策に目が向きすぎたアベノミクス
アベノミクスの三本の矢とは、「大胆な金融政策」「機動的な財務政策」「民間投資を喚起する成長戦略」。この中で政府が派手に手を打ったのが金融政策だ。アベノミクスが公になった時期というのは、円高が急速に進み自動車等の輸出産業は利益が為替差損で大きく食われていた。政府は長きに渡るデフレ経済から抜け出すべく2年間で物価2%アップを目標に掲げ、日銀にその実現を促す。慎重な政策展開をしてきた日銀も、現総裁に代わるやこの目標に大胆に挑み金融緩和をたびたび実行、政府も都度円売りに走り円高を抑えることに。折しも世界経済の様相が思わしくなくなってきたことも重なり円安に傾いた。これにより輸出関連業界は好決算享受へ、株価は9、000円台から15、000円台ぐらいまでに上昇して資産家は利益を獲得。企業も好決算で得た利益は、一部は株主(資産家)配当へまわったものの多くは内部留保へ、賃金については好決算にスライドしたものにならなかった。それどころか非正規社員の割合が増え続けて家計の安定性が揺らぐことになる。
b.安易なデフレ脱却策が国民生活に仇を
デフレ経済から脱却すべく政府の物価2%アップ目標については、消費税を5%から8%にしたこととその駆け込み需要で当初物価が上昇するが2%には届かず。3~4年たった今でも達成できていない。というより達成は厳しい様相にある。消費税を3ポイント上げたのだから2%の物価上昇は軽く達成できてもよかったはずなのだが、当初緩むかに見えた国民の財布のひもは、逆に固くなってしまうことに。
原因の一つは、内税方式が原則の消費税を8%にするときに外税方式を許容したことにある。食品業界とか、家電業界という一般生活者に近い業界がこぞって外税にした。消費税が8%になっても国民が買い物する際の判断は、記憶にある過去の(内税)価格との比較になってしまいがちで、3ポイント安くなったかのようにみえるのだ。だから買い物に行くと目に留まる商品全てが安く見えて国民の財布の紐も緩んだ。ところが1か月後の家計簿は赤字、これが続き国民は買い控えに向かうのだ。
また、この外税での本体価格表示と内税での税込み価格表示を比べると3ポイント安くなったようにみえることに悪乗りして本体価格そのものを2ポイント、3ポイントあるいはそれ以上に上げるメーカー、流通業者も出てきたことだ。
特に昨今、消費税が8%になって2年余りも経過すると、国民は当該商品の記憶にある価格が内税であったときのものなのか外税のときのものなのかがわからなくなり、買うのを躊躇することも。(とんでもない「外税方式の許容」だ!)。
c.“円安”の反動
円安は先のとおり輸出産業を潤し、株価の高騰をもたらしたが、反対に輸入産業は悲鳴を上げた。国民にとって身近なところでいうと食材だ。我々が日々口にする食品は、お米を除き多くは輸入に依存している。例えば、国産牛、牛乳はその飼料は輸入。パン、菓子類に使う小麦、豆腐、納豆、醤油等に使う大豆もほとんどが輸入。植物油も原料は輸入、野菜、果実、魚介類の輸入も増加してきている。これが円安により家計にインパクトを与えているのだ。
行き過ぎた円安の結果といえる。このへんのところ、輸入が多い我が国のようところでは、輸出産業とのバランスがとれるあたりでの円相場が望まれる。これはまさに日銀の領域だ。
以上の「a」から「c」によりアベノミクスがスタートして3~4年経過しても家計は一向に改善されないのだ。残念ながらこのへんの生活実態が政府を取り巻く専門家ぶる集団、普段生活用品の買い物にいかない学識経験者たち、官僚のみなさんに見えていないようだ。

3.行き過ぎた金融政策等により、国民の資産までが目減りに。
アベノミクスは日銀の金融緩和、政府の円売りの度重なる発動等により円安、株高をもたらすが、この値動きというものは「為替取引」「株式売買」で決まる。株式を例にあげると値が上がり続けるという保障はない。そこには得をするものがおれば損をするものも必ずいる。従来は市場のメカニズムが働きほどほどの損得で収まっていたが、昨今は取引の多くがコンピュータを使った売買になり市場の読みが難しくなっている。そこに、公的機関による莫大な金額が市場に流れ込んでくると不測の事態も起りうる。事実、皆さんも記憶にあたらしい年金資産の株取引での5兆円損失事件。従来年金資産は危険度の低い国債等債券への投資が主であったが、株式への積極的な投資が許容された矢先の出来事だ。しかも、日銀、年金機構等の公的機関による株式への投資は、8/29付日経新聞の記事によると「東証一部上場企業の4社に1社の実質的な筆頭株主となっている」ということだ。そして記事は「株価を支える効果は大きい反面、業績など経営状況に応じて企業を選別する市場機能が低下する懸念がある」としている。市場のメカニズムに人為的な要素が大きく加わってくれば、今後の株式等投資での判断を一層難しくする。つまり株投資リスクが高まることだ。年金資産の運用は、額が大きいだけに、投資に際しては他への影響等を十二分に考えた判断が求められる。

国民一般についてもそうだ。最近は株取引の多くがコンピュータで瞬時にされるだけに、個人がパソコン等を使った手作業では取引のタイミングを逸しかねない。といって銀行預金も日銀の金融緩和策で利率がどんどん低下しマイナス金利に、今や預金してもほんの気持ちだけの利息。物価の上昇を考えると国民一人一人の資産も目減りの一途だ!

4.「成長戦略」がもたついている。アベノミクスを評価できるかどうかは、「成長戦略」の経済政策を含めた具体策を提示・実行し成果を出せるかにかかっている。
アベノミクスは、結果が出やすい金融政策の方に気をとられ成長戦略での諸策が遅れ遅れになっていたが、先般の内閣改造で動き出したようだ。
当初のアベノミクスは、「大胆な金融政策」「機動的な財務政策」「民間投資を喚起する成長戦略」の三本の矢でスタートしたが、昨年秋に「希望を生み出す強い経済」「夢を紡ぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」を新三本の矢として掲げ、先般、働き方や産業構造の一体改革に取り組み、成長力の底上げに事業規模28兆円の「未来への投資を実現する経済対策」を決めている。

その経済対策メニューの一つ「働き方」では、小手先だけのものが散見され、目立った経済効果は出るのか懸念される。もう一つの「産業構造」ではIoTを掲げ時代の先取りをにおわすが、国民生活レベルまで汎用化されには時間を要しそうだ。最後の「インフラ整備」では、20年から30年先のリニア中央新幹線があげられているが、ここ5年から10年での経済効果は望めそうにない。そこにお決まりの空港、港湾の整備まで出てくる始末。現在、48の都道府県に対して空港は98ケ所もある。平均一県に2空港強と異常な状況だ。これの廃港、他目的活用を考えたほうがまだ新たに金を使うより経済効果が出そうだ。

とかく、過去の政治の流れを見ていると、諸処の政策がうまくいっていないときは呼び水を打つかのようにとてつもない大きな予算をつけるパフォーマンスが見られるが、金額の多寡で政策の良し悪しが決まるものではない。今回の28兆円は本当に確かなものなのか。

今、国の借金は、1000兆円を超している。これを国民一人あたりに換算すると800万円超の借金になる。8/14付日経新聞に「日本は戦後処理で、国の借金を価値の落とした新札への切り替え等で帳消しに」というような記事があった。よく歴史は繰り返されると言われるだけに人ごとでは済まされない。

とかく経済政策では、国も都道府県もそうだが一旦決まるとストップがきかないようである。それを決めた政治家、役所のメンツ、しがらみとうものがそこにあるようだ。日本の今置かれている状況を考えると、己のメンツ、諸処のしがらみどころではないはずだ。たとえ政策が公になっても、或いは建設がはじまっていても、効果が期待できない事実が明確になったときは、ストップをかけれる勇気が今の政治家にほしい。

国の借金、1000兆円余りが国民一人一人の資産(銀行預金等)に大きな影響をもたらさないように、遅きではあるが今回の28兆円からは、本当にこれに十分に見合うだけの経済効果はあるのか、国の借金を減らすだけの大きな結果が出るのかを検討に検討を重ねてもらいたいものだ。

5.今こそ政治家には、己の保身、党のためのパフォーマンスを止め、泥をかぶってでも国家、国民、そして将来の日本を担う子たちのための真の政治家魂発揮が期待される。
以上の「」から「」で国民の多くは冷めているようだ。給料はそれほど上らないのに価格上昇傾向で家計は厳しく、そこに中高年の給与の頭打ち、非正規社員化等の波で生活が不安定化、企業の人減らしで残された社員への責任も重くのしかかる。主婦も働かなくては家計が維持できない現状、これも年齢が上ってくると職につけるかどうかもわからない。年金も期待した額がもらえるかどうか不透明、子供の学資は大学まで用意しなくてはならない時代になっているが、大学を卒業してもきちっとした企業に正社員として入社できるかも定かでない。等々国民はまさに追い詰められている。財布の紐がきつくなってもしかたがない。
国民だけではない。円高でかなりの蓄えができた企業も同様なのだ。先が読めなく稼いだ利益は非常時にそなえてギュッと握ったまま、だから大きな投資も手控えの状況だ。

政府、日銀は、デフレ脱却に向け金融緩和を推し進めてきたが、期待の企業は利益をため込んできている。そこに金利を低くして市場に金を放出しても食いつてこない。金利をマイナスにしても思うような状況になってこないことは当局も気づいているはずだ。
どうも日銀は古い経済学の教科書どおりのことをしているように見えてならない。特に今の経済はそんなシンプルなものではない。日銀は、経済の判断で見落としている部分、あるいは軽く見ている部分が多々あるのでないだろうか。市場経済の実態を机上だけでなく、己のこの目でしっかり見て判断してもらいたいものだ。

マイナス金利では銀行経営にも陰りが出始めている。期待できる企業はそこそこの資金をもっているので借りようとしない。だからと言って期待できない企業への貸出しは不良債権になりかねなく安易な融資は躊躇される。というのは10~20年ほど前の不良債権整理での銀行の統廃合、不良債権回収騒動等が思い出され銀行も貸し出しには慎重なのだ。
国民一人一人もマイナス金利策で預金しても利息はほんの僅か。そこに先に掲げた不安定要因で生活防衛に走り始めている。以前の日銀はこうしたことを予想してのことだったのか慎重に事を進めてきた。ところが最近の日銀は大胆にどんどん進める。マイナス金利策に至ってとうとう企業も個人も“身構えに入った”感がする。

今、社会はまさに先の見えないことが多くなりすぎて“大きな不安”下にある。この大きくなりすぎた不安を払拭しないかぎり、経済の好転は望めそうにない。 昨今のポケモンGO!をはじめとするゲームに国民の多くが熱中するのも、こうしたことからの現実逃避のあらわれに見えてくる。
今こそ政治家には、己の保身、党のためのパフォーマンスを止め、泥をかぶってでも国家、国民、そして将来の日本を担う子たちのための真の政治家魂発揮が求められる。また、政治家を取り巻くブレインらしきものについてもしがらみを捨て一新するのも、早く確かな解決への糸口をつかむために不可欠といえよう。

作成者: admin

俗にいう団塊の世代で、趣味はライブ等でいい音楽を聴くこと、楽器はグランドピアノを購入してトライ中。現在、経営コンサルタントとして「戦略経営」と「システム構築」が専門。経営効率化へ経営資源の再配分、組織再編成、企業運営等を指導しつつ、ビジネスモデルを確固たるものへ情報システム面から具現化をはかっています。

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