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見てくれだけの東芝製薄型ノートパソコン dynabook ss

◆納得できないメーカーの製品に安易に妥協、後で大きな後悔に・・・  
 息子が東京の大学に入学した際、大学生協から送られてきたパンフに選択肢がほとんどなく記載されていたのが東芝製薄型ノートパソコンdynabook ssであった。NEC製、IBM製パソコンをずっと使ってきた私にとって「えっ!」という感じがした。生協としてのお勧めで「何かあった時はすぐに対応しますから」という一言で私の気持ちは動いた。息子を遠方にやるだけに、操作等で困った時みてあげられないのでその一言を信じた。それが後になって大きな間違いであったことがわかる。

◆脆かった東芝製薄型ノートパソコンdynabook ss
 大学で息子は、パソコンにはあまり関心をしめさなく触ることも少なかったようだ。それだけにパソコンで問い合わせてくることもほとんどなかった。ところが大学院に進むとデータの解析等で使わざるをえなくなったようで、そのころからソフトの設定等で相談を持ちかけられるようになった。その矢先にパソコンが立ち上がらないというトラブルに遭遇したのである。どう操作しても動かなく東芝のPC集中修理センターに送らせたところが、「固定ディスクの故障で交換が必要」との返事であった。購入して4年余りになるが、バリバリに使ってきたわけでもないし、あちらこちらに持ち歩いたわけでもない、ましてや、落としたり乱暴に扱った様子もない。今でこそノートと言えばひと桁台でそこそこのものが手に入る。この時分でも10万円台でいいものがあった。ところが、この機種は、東芝のノートパソコンの中では上位クラスで値段も25万円ほどした。それなのに、このもろさに私は愕然とした。

◆知る人ぞ知る使い勝手がいい安心できる外資系のパソコン
 というのは、私自身、NECが日本で最初に開発したPC8000以来、NECのパソコンを毎年買い替えるほどのユーザーで、この10年間ほどは1999年にIBM製ノートパソコンThinkpad240、2000年にデル製ノートパソコンInspiron4000、2001年にデル製デスクトップパソコンOptiplex GX150、2003年にデル製デスクトップパソコンDimension8300を購入している。それ以降も今日までにIBM製ノートパソコンThinkpad X61、デル製デスクトップパソコンPrecision T5500、Vostro 420タワーと購入した。計7台ものパソコンが私の周りにある。トラブルと言えばOSの再インストールがいくらかあったぐらいで、固定ディスクの交換が必要とするほどの大きなものはなかった。だから7台全てが今もなお正常に動いている。ノートだけに限定すると、欠陥機種のdynabook ssを含めて4台。その値段はというと、欠陥機種のdynabook ssがほかの2倍ほどとダントツの高さ。ところが壊れるのは、一番早かったのである。経営コンサルタントに戻る以前、私は一般企業の情報システム部門の担当役員として、この10年間ほどIBM製(途中、実体は同じだがLenvoに名称変更)のノート、ディスクトップを何百台か使ってきたが、固定ディスクの交換という事故はなかった。あったとすれば、パソコン本体と違ってディスプレーの方で映りが悪く修理が時々あったぐらいである。昔と違いパソコンの性能もかなり向上してきており、故障がなくなってきたのもあたりまえなのかもしれないが・・・・・。 

◆値の張る上位パソコンを売っておきながら、マニュアルの棒読みでしか返答しない東芝PC集中修理センターの面々
 このような状況下で私自身がきただけに今回のトラブルは納得いかず、昨年のはじめ、東芝のPC集中修理センターに電話をかけた。電話口にでたのはイネイ氏、彼は事務的に「故障だから修理代が4万7千円かかります。」の一点張り、私の以上の経緯を話すも全然取り合おうとしない。次の日、再度、電話するとシンバシ氏が電話にでてくる。しかし、返ってくる言葉はイネイ氏と変わらない。マニュアル通りに話している感じで、誠意というものは全く感じられない。仕方なく、明日また電話しますというと「明日は私は休んでいるので、タジマの方で対応させます」とのこと。次の日、タジマ氏に電話して再度、上記内容を話すがこれまた返ってくる言葉は同じ。話にならないので明日また電話をかけますというと、またもや、「明日は私は休んでいます」とのこと。いいようにたらい回しして逃げきろうとする無責任ぶり。次の日、電話して責任ある方を電話口に出すようにいうとヤマモト氏がでてきた。しかし、誰が電話口にでてもマニュアルの棒う読み、誠意など微塵もないのである。

◆東芝の品質に対するおごり、放漫さ、現場のことなかれ主義
 この10年余りに7台のパソコンを購入(欠陥の東芝製薄型ノートパソコンdynabook ss除く)したが、これら全てが今なお正常に動く中、ノートとしては唯一大枚をはたいて買わされた東芝製薄型ノートパソコンdynabook ssだけが、いとも簡単に壊れてしまったという疑いもないこの現実。如何に自社のパソコンの品質が悪いのか、製品の出来ばえにムラがあるのか、どれだけ顧客に迷惑をかけているのかということへの反省の弁など全くない。責任者が電話口にでているだけに解決の糸口をつかもうと、「その当時の同機種の在庫は予備用にあるはずだから、それと交換やってほしい」という。現在の新製品をと言っているのではない。東芝がこの製品に自信があり、私が運悪くこの製品に当たってしまったというのであれば、応じられないことはないはずである。ところが返事がない。この機種は欠陥品で固定ディスクあたりに相当交換がでているのではないかと察したくなる。他社製の性能、品質の良さをもっと知ってもらい、この機種が、或いは東芝のパソコン技術が如何に問題あるかを分かってもらうため、この事業部門の担当役員の方に自宅の方に来て7台全てを見ほしいことも言うが、全く取り合おうとしない。この責任者ではお話にならないので、より上の方、あるいは担当役員を出すように再三、再四いうが頑なに拒絶。自分のところで全てを抑え込んでしまおうという魂胆である。マニュアル通りに応えるぐらいなら、アルバイトで十分である。東芝の不誠実さを。品質に対するおごり、放漫さ等を感じさせられた。

◆安心できない製品(dynabook ss)の不当な修理代で、他社製の使い勝手いい新品のノートパソコンが買えた!
 あれから一年余り経過しても音沙汰がなく先般、問い合わせたところ同じヤマモト氏が電話口にでてきた。話す内容は以前と全く同じで変っていない。当のパソコンは東芝の倉庫に見捨てられたままになっているようだ。息子の方は、パソコンがなくては研究が進まないということから昨夏に買ってあげた。勿論、東芝製でなく、デル製のノートである。5年の保守料を除くと6万円ほどで購入したことになる。例の東芝製薄型ノートパソコンdynabook ssよりもずっと動きがよく、今快適に使っている。25万円という高額なdynabook ssパソコンと比べると、4分の1の値段でこのフットワークの良さである。しかも、東芝は自己の技術力のなさ、或いは品質管理の弱さを棚に上げて欠陥機種であるものに、さらに5万円もの固定ディスク交換料を要求した。欠陥機種であるからたとえ修理しても、また、すぐにほかの箇所が故障しかねない。ヤマモト氏は修理に関しては「3か月は保証する、その後、別の箇所等に故障が出れば当然修理料はもらいます」とのこと。6万円ほどで新品が購入でき、快適に使えるご時世に、メーカの製造責任が多分にあり、しかもたとえ直しても品質自体良くないことから壊れることの心配がされるものに、5万円もの修理代を誰が払うでしょうか。メーカー、つまり製造者のモラルがうたがわれる。

◆昔の東芝は安心できた。あのころの東芝はどこにいってしまったのか・・・。
 私は何も、東芝が嫌いで言っているのではない。私が幼いころ実家は東芝ファンで、新たに買う電気機器のほとんどが東芝製であった。私も高校時代、勉強部屋で使う扇風機を買ってくれることになり、母からお金を預かり電気店に飛び込み私の選択で初めて買った電気製品が“東芝の扇風機”であった。4枚羽根の走りのもので、この時分盛んにテレビでも宣伝されており、それが私の目に入っていたのでる。そのとき買った扇風機が40年余たった今も動いている。家電製品の寿命は8年から10年と言われる中、良いものをつくればこれほどもつものもでてくるのである。この優れ物の扇風機、昨年、息子がほしがったので譲ってしまったが、今なお風当たりよく、音も静かで気持ちよく動いている。東芝も変わった。以前の東芝は安心ができた。あのころの東芝はどこにいってしまったのか・・・。

◆市場に絶えず目を配り、耳を傾け謙虚にその声を経営に取り込んでいく企業は強い、将来が期待できる。しかし、残念なことに今の東芝は・・・
  今、トヨタ自動車は、アメリカでアクセル、ブレーキ等の欠陥でバッシングを受けている。自国の自動車産業を守るためエスカレートしているよにみられる。今回の反省からトヨタの社長は、売上至上主義から品質重視への方向転換を打ち出した。社内での反発は相当らしいが、トヨタのことである。おそらく実行するだろう。トヨタはアメリカで叩かれて一層大きく成長していきそうである。
 ところが、東芝は大企業病が蔓延して、欠陥等を隠そうと躍起になっている。末端まで血が通わなくなってしまっている。或いは、パソコン事業部だけに特に問題があるのか。東芝はパソコン事業では後発である。後発だけに特色を出そうとノートパソコンの薄さの方にこだわりすぎ、品質の方がなおざりにされたようだ。そして、社員の心までもが“うすっぺら”になってしまっている。ところが今や、そのノート型パソコンの薄さも他社の方が勝る。そして、他社は顧客の信頼に応えようと品質をはじめとするサービス面の強化にやっきである。東芝のパソコンの売りがげが伸びてこないのも、シェアがずっと低迷するのも、この辺のところにあるようだ。