ユーボイス2015年12月再スタートにあたって

当サイトを立ち上げて5年余りになります。しかし、投稿は立ち上げた年の7月、8月にだけで、以後今日まで休止のような状況でした。投稿しなくてはと思いつつも本業の経営コンサルタントの仕事の方に手をとられ、気がつけば2015年も終わろうとしています。先日、以前投稿したものを読み返す中でユーボイスの使命を考えると、“今は休止というとんでもない状況”になってしまっており、本業の方を調整する中で志を新たに取り組む決意を致しました。これからもよろしくお願い申し上げます。

ところで再スタートの決意を促したのは、ユーボイス立ち上げ時に投稿した3つの原稿です。その一つが「見てくれだけの東芝製薄型ノートパソコン dynabook ss」の原稿です。
この東芝が今年7月に「不適切会計問題」を発生、現社長だけでなく歴代3社長の辞任も発表、全取締役16人のうち8人が引責するという異常事態になりました。ことの発端はこの原稿を投稿する2~3年ほど前からのようです。この問題の中ではパソコン事業も不適切会計の一つに挙げられていました。表向きはうまくいっているように見せかけていたパソコン事業、実は厳しい状況にあったのです。それは先の投稿内容からも察っせられるでしょう。この原稿の結びの見出し「◆市場に絶えず目を配り、耳を傾け謙虚にその声を経営に取り込んでいく企業は強い、将来が期待できる。しかし、残念なことに今の東芝は・・・」で「東芝は大企業病が蔓延して、欠陥等を隠そうと躍起になっている。末端まで血が通わなくなってしまっている。或いは、パソコン事業部だけに特に問題があるのか。東芝はパソコン事業では後発である。後発だけに特色を出そうとノートパソコンの薄さの方にこだわりすぎ、品質の方がなおざりにされたようだ。そして、社員の心までもが“うすっぺら”になってしまっている。ところが今や、そのノート型パソコンの薄さも他社の方が勝る。そして、他社は顧客の信頼に応えようと品質をはじめとするサービス面の強化にやっきである。東芝のパソコンの売上が伸びてこないのも、シェアがずっと低迷するのも、この辺のところにあるようだ。」と締めくくっています。今回の不適切会計処理問題の発生を予測するかのような指摘であったと自負しています。こうした良くない製品を売り続けていて世間は納得するはずがありません。結果は、先日発表の東芝はパソコン事業から手を引くというものでした。

また、この原稿の結びの前に「今、トヨタ自動車は、アメリカでアクセル、ブレーキ等の欠陥でバッシングを受けている。(アメリカは)自国の自動車産業を守るためエスカレートしているようにみられる。今回の反省からトヨタの社長は、売上至上主義から品質重視への方向転換を打ち出した。社内での反発は相当らしいが、トヨタのことである。おそらく実行するだろう。トヨタはアメリカで叩かれて一層大きく成長していきそうである。」と書き記しています。あれから5年余りたちました。今トヨタは、通る車の2~3台に1台がトヨタ車というほどに市場を圧倒しています。この的を射た診断も自負するところであります。

この原稿(「見てくれだけの東芝製薄型ノートパソコン dynabook ss」)を東芝の上層部がしっかり見て、企業のあるべき姿を思いめぐらし、行動に出るまで謙虚に反省していたならば、不適切会計処理問題は、ここまで深刻には至らなかったであろう。

再スタートの決意を促した立ち上げ時投稿の2つ目の原稿は、「パフォーマンスだけで、行動になってこない政府そして日銀」です。
この原稿を投稿して5年余りの月日が経ちました。2009年の衆議院議員選挙で300議席を超える圧倒的安定多数を獲得して政権交代を実現した民主党も、3年余りで政権の座から降り今やその影も薄い。自民党政権に疲れを感じていた国民に良くなる兆しを感じさせてくれた民主党。なぜこんなに早く萎んでしまったのか。

それはこの投稿からも伺えた。野党時代、批判することにはたけていたが、いざ政権をとり自身で政策を立て、実行する立場になって、意識していなかった体質の弱さを露呈してしまった観がある。特に“人”の問題が致命傷を招いてしまったようである。これは私自身、企業経営のコンサルティングをしていても感じることである。民主党は人材が育っていなかった。にもかかわらず政権を取った後、内部の人間を要職に登用しすぎた。各分野で塾れた質の高いコンサルタントと連携をとり、人を動かしていくことが出来ていなかったとみられる。つまり優れたブレインに恵まれていなかったといえる(これも民主党の実力のなさともいえるが)。各議員の力量を超えたパフォーマンスがよく見られた。特に記憶に残っているが、「事業仕分」でのあの女性議員の「(最新鋭コンピュータ開発の競争で)2番ではいけないのですか」の発言。世間は奇をてらったような発言で注目したが、これが民主党かと思うと行く先が案じられた。社会が見えていない、経済・経営が分かっていない。そんな議員がこのような要職につき、以後も民主党の上層部に名をつらねていくことに民主党の先が見えたのである。

「(最新鋭コンピュータ開発の競争で)2番ではいけないのですか」ではダメなのです。なぜかと申し上げましょう。分かりやすい例を挙げると、数学のテストで100点をとった子が1人、99点をとった子が1人いたとしましよう。当然、100点をとった子はクラスで1番、99点をとった子は2番ということになります。この女性議員にしたら、たかが1点違いというでしょう。しかし、実際はそれ以上の格差があるのです。このテストで100点の問題以上のレベルの高い問題多く出したなら、99点の子は一つも解けないが、100点の子は、その何個か、或は全部を解いてしまうこともあるのです。

これをコンピュータの開発競争でみると、2番は今見えている一番のレベル以下であるのに対して、1番、つまりトップは、それ以上の課題にも対応していける技術水準にあり、可能性を多分に秘めているのです。だから、この1番になったコンピュータ開発国、或は当該企業のコンピュータを採用すれば、一層大きな価値が得られることが期待できるのです。まさに、世界で1番になるということは大きなビジネスチャンスを掴むことになるのです。

再スタートの決意を促した立ち上げ時投稿の3つ目の原稿は、「〈賢い塾選び〉 その1.有名公立高校への進学実績数だけを標榜する塾に注意!」です。
この見出しが的中するかのような事件が、昨年大阪で発生しました。大阪では規模は大きく、日頃から競り合う2つの塾でしたが、ある有名高校への進学実績数で数字が合わないということから、ホームページ等への掲載指止めを求める訴訟が起きたのです。双方とも擦った揉んだのあげく、片方の塾がホームページの当該個所を削除することで決着しました。普段から毎週のようにチラシ1面を使いグラフ等で有名校への進学実績をアピールしてきた両塾です。両塾とも入塾選考では当然試験を実施して有名校に行けそうな子達だけを特別クラスに入れてきています。有名校に合格して当たり前です。そこで、進学実績が数人違うということで騒ぐのはいかがなものでしょう。入塾選考をせず、普通の子、或は出来の悪い子を何年もかけて、塾の総力を挙げて育ててきた子達であれば数人違いでもピリピリするのは分かりますが・・・。

「〈賢い塾選び〉 その1.」にも書きましてが、教育業界にいながら他の業界以上に商魂だましいが強いのが塾のようです。この訴訟で是正勧告を受けた塾は、塾生の転塾、講師の転職等が発生、以前の入塾選考も緩くなったことから今こそ入り込もうという浅はかな親もいるようです。教育を十分受けてこなかった親にそういう傾向があるように見かけます。子供にとってはえらい迷惑な話しです。

塾全部が商魂だましいが強いといっているのではありません。塾にも教える中身に絶えず神経をとがらしているところもあります。それはどんな塾かといえば、「〈賢い塾選び〉 その1.」をお読みいただければお分かりいただけるでしょう。今回、ユーボイスの再スタートを記念して、年末年始を挟んで「〈賢い塾選び〉 その2.」「〈賢い塾選び〉 その3.」の投稿を考えています。今こそ我が子のために、また、無駄にお金を使わないためにも塾選びを真剣に考える時期です。

ユーボイスは本日から再スタートします。これからも以上のような的を射た投稿をして、ユーボイス本来の使命を果たしていきます。

2015年12月11日

ユーボイス 主宰者、参画スタッフ一同