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コロナ禍、救急車搬送されても入院できない異常事態下に。菅首相は党総裁選不出馬(首相辞任)宣言で党内混迷、コロナ危機意識のなさ露呈

 衆議院の任期満了を控え支持率大幅低下の菅首相が党利党略、自身再任へ個利個略に走った矢先の9月3日、首相の党総裁選不出馬、つまり首相の辞任発表があった。現行政権の無策ぶりを先日(9月1日)、ユーボイスに掲載した直後でもあった。コロナ緊急対策で臨時国会開催を訴えても動きが全く見えなかった党内が、一気に総裁選に色めいた。立候補予定者は、自己の施策をまとめ早々に派閥まわりをはじめる有様だ。 

 菅政権は、新型コロナ感染の真っ只中の昨年9月にスタートした。その当初、コロナ感染回避で“三密”が強く言われていた最中にも関わらず、首相自ら財界との集団会食が発覚、反省の弁を言ったにも関わらず2回、3回と会食が続き国民の信頼を落とす。ここまでして財界等との会合を強行したのは、コロナより経済重視の表れであったと思われる。この時期に、経済、社会、医療への力の入れ具合、配分を間違ったことが、結果突っ込んだコロナへの取り組みを欠くことになり、それが経済の活力を削ぐことにもなってしまったようだ。

 菅首相は前政権で官房長官という閣僚の要職にあったことから前政権を引き継ぎ、新政権でその勢いが期待されたが、これらは脆くも崩れ去り、経済、社会、特に国民生活の読みの甘さ、コロナへの油断、党内、官僚の掌握のまずさ、力不足が政権運営を早々に行き詰まらせてしまったようだ。とは言っても自民党政権のこと、党の意向が政権運営で取り入れられていたはずである。政府と政権与党である自民党との連携がうまく機能していなかったことも敗退要因と見られ党の責任も免れない。コロナを抑え込むには新法の制定はもとより、現行関連諸法の改正という大仕事があるはずなのに臨時国会も開かずにきたことは、自民党そのものの体質の問題と、政権トップ菅首相の国民への説明責任のなさ、官僚へのにらみ、威圧、首相の自己過信等による独走が退陣を加速させたようだ。

 新型コロナ感染対策では、現行法制が何かと足かせになった。我が国は今回のコロナに限らず、緊急事態が発生した際、とかく初動の遅れが指摘されてきた。コロナ感染による死者が1万7千人弱、自宅療養者を含むコロナ患者が14万人ほど(9月11日現在)と第二次世界大戦後での最大の異常事態である。にも拘わらず今なお危機感の低さと無策には驚かされる。これは自民党政権がために起こりうるものだったと思われる。自民党には派閥というものが多く存在する。また、農業、郵政、医療等といった族議員、政治資金パーティーの存在もある。それぞれが関係先と何らかの関わりがある。これらとの関わりの中で日本の法令は生まれてきたようだ。これが簡単に法改正に取り組めない実情のようにとれる。身から出た錆ともいえる。こうしたことを回避するために政党に多くの資金が国から助成されたり、議員に相当の報酬が支払われいるが、とかく政治と金の関係は、いつの時代でもつきまとっている。議員の欲もあろうかと思われるが、選挙に多くの資金を要することが原因でもある。デジタル化、ネットの時代、選挙のやり方も大きく変わってきてもいいのだが・・・。

 議員は国民から選ばれた言わば政治のプロだ。大きな志を持って選出されてきているはずである。 議員一人ひとりには法令を決めるという大きな権限、力が付与されている 、この一人ひとりの議員が国会で国民の安全、生活向上をしっかりと主張すべきところが、派閥という存在で幹部議員、古参議員等のもとで埋没してしまっている。今回の総裁選では、派閥のトップ、幹部議員と若手議員との政策ギャップで派閥を越えた動き等があり、統率がとれなくなってきている。自民党のかかえる派閥制度の弊害が幾度となくクロースアップされてきた今、コロナ禍を契機に思い切ってメスを入れるべき時にきているようだ。政党、派閥に頼らなくても先の選挙資金(年間300億円程の政党交付金の削減・転用で調達)が議員一人ひとりに直接支給されるような仕組みをつくることを一案として考えられる。これにより議案は従来のような派閥の力で押し通すのではなく、派閥の縛りから解放された議員によってその時々の議案に志を同じくする議員の寄り合い、例えば政策研究会、勉強会等で意見を交わす場、これも今の派閥を越えて複数の会合に自由に行き来できるようなものになれば、議案もこなれて議員の活性化、国会の国民の信頼向上になるばかりでなく、国民も選出した議員の活動状況がよく見え公約確認もできて、日本の政治は大きく変化、発展するものと思われる今回のコロナについても、こうした仕組みがあればもっと早い時期に行動か開始されて、煮詰まった意見の中で現実的な策を講じらることができたであろう。(初動の遅れで、[今のコロナ感染による一日の死者56人(9月11日)]×[初動の遅れ日数]もの多くの国民が不本意な死を遂げてしまった政治責任は大きいですぞ! 他人事ではありません。ワクチンを打っても感染しないという保証はどこにもありません。あなたがこの死者56人の一人であったなら・・・。

 昨年まで続いた安倍政権の長期化は、森友、桜を見る会、加計…等々の問題を起こし、ここ何年か国会は大事な法案、危機管理への法整備等の審議が空転しつづけた。この反動と無策が、今、新型コロナ感染症対策で無能さを露呈してしまった。世界は強硬策を次々と実行するのに、日本は政権にも問題があるが、現行法令下で身動きがとれない状況になってしまっている。また、議員一人ひとりの危機意識の低くさがコロナ禍を一層深刻なものにしてしまった。戦争でもないのにコロナ感染により1万7千人弱の死者、この死者も日々更新、増加の一途だ。この政治責任は見逃せない。 

 今、自民党の 総裁選挙立候補予定者は、 口々に自己の政治主張を繰り広げているが、本物かどうか首をかしげるところだ。菅首相は、政権運営に行き詰まって退陣追い込まれた。昨年9月に政権を引きついで1年ほどでだ。この間、今回の 総裁選挙立候補予定者 は「①自民党政権の一人として、このコロナ禍の一年間余り一体何をしてきたのか。特に新型コロナに関して。」、「②自分が政権を取ったときは、それらをどのように実現、展開していこうとするのか。詳細に」納得できる説明を聞きたいものだ。

また、自民党総裁選で蚊帳の外にいる他党については毎度のように、ただ、批判、建前論ばかり繰り返すのではでなく、まじかに衆議院選挙をひかた時期だけに、①コロナを中心にどういう政策展開をしようとしているのか具体的に、②その実現可能性はどうなのか、③人材はどこから調達するのか、④効果のほどはどのくらいなのか、⑤コストはどれほどかかるのか。⑥どこからそれを工面するのか等々、特にコロナ政策に関しては即実践ができるようなものをこれからの選挙活動を通して、国民にしっかり訴えかけてほしいものだ。

作成者: admin

俗にいう団塊の世代で、趣味はライブ等でいい音楽を聴くこと、楽器はグランドピアノを購入してトライ中。現在、経営コンサルタントとして「戦略経営」と「システム構築」が専門。経営効率化へ経営資源の再配分、組織再編成、企業運営等を指導しつつ、ビジネスモデルを確固たるものへ情報システム面から具現化をはかっています。

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