現在、我が家のインターネット回線はADSLだ。巷ではこれより通信速度が速い光回線が道半ばにあるが足踏みの状況だ。大きな投資をしてきた回線業者は焦っていろいろと画策しているようだが、思うように進んでいないのが実情だ。
1.光回線への不信感を回線業者等自らがつくりだしている。
対応策としてとられているのが代理店を使っての光回線の売り込み。我が家も毎日のように勧誘の電話がかかってくる。社名はもちろんNTTの下部機関もどきのような言い方だ。料金も代理店各社手を替え品を替えお得感を出し提示してくる。聞けばきくほどどこがお得なのかが分からなくなって、「光はもういいや、ADSLで十分まにあっているんだから」と片付けてしまうのが常だ。こうした電話はだいたい真昼間、仕事に手を取られている時間帯にかかってくる。迷惑千万だ。断っても断っても容赦なく電話をしてくる非常識さ。これは皆さんのお宅でも経験済みのことと思う。他業種にはみられない熾烈さだ。異常そのもの。NTTを筆頭に代理店を含めて光回線に対する不信が益々つのる。これが光回線のさらなる普及を妨げているようだ。
2.回線業者、プロバイダー等の社内でも担当者間に商品の認識度合いにズレがある。
ADSLは光と比べると安く、現行の電話回線を共用できるというメリットがあるが、通信速度は光回線よりは劣る。しかし、一般家庭で使う分では十分な速度で支障はない。 通信大手のNTTコミュニケーション㈱(OCN)は、今年3月末でADSLを廃止して現行顧客の光回線への移行促進を決めた。OCNのADSL回線を使う私は真面にその影響をくらい昨年末から光回線、プロバイダーの業者探しだ。ヨドバシカメラにも足を運ぶが、回線業者各社の特長を横並びに比較するのが難しいほどの複雑さだ。結局は、20年余りと長きにわたり付き合ってき、そして現在使用のメールアドレスもそのまま光へ移行できるOCN(光回線はNTTフレッツ光をOCNが卸として提供)に決めた。契約に向けていざ、突っ込んだ質問をOCNあるいはNTTにしても各担当者からかえってくる答えは微妙に違う。また、はっきり返答できなく電話が保留になることもよくあった。担当者でさえこの始末だから、一般客が二の足を踏むのは当たり前だ。これが光回線の普及を一層、遅らせているのだ。
3.ネット通信にかかわる業界の整備、適正化が問われる。
これらのことはケータイ、スマホ等においてもしかりである。皆さんは購入時での店頭カウンターでくぎ付けにされての担当者からの説明で、完全に理解、把握した方はいるだろうか。機器の上で動くアプリを早く使いたいがために、鵜呑みにしていないだろうか。毎月の請求料金もアプリをこのまま使っていきたいがために、事細かに書き並べられた請求明細をほとんど見ずに払ってきているのではないだろうか。
ケータイにはじまってスマホ、そして光等の通信回線、プロバイダーに関わる業界の料金設定は、家電、車、食品等の一般業界と比べれば特異ともいえる。各社各様の料金設定、そこにキャンペーンとかメーカー独自の割引が期間設定で組み込まれて、時間の経過とともに現在払っている料金は正しいのかどうかが見えなくなっている。近年、総務省も腰を上げ業界の適正化に動き出したが、今や国民の必需品ぐらいまでなっているだけに経済産業省、公正取引委員会等も加わりサービス、料金の明瞭化、簡素化、機器互換性促進等をはかる必要がある。これが今回のメインテーマである光回線普及の足踏み状況の打破にもつながのだ。